血圧測定を再考する
先日行なった第1回「臨床に活かすための循環生理学」のセミナー内容を少しだけご紹介したいと思います。
動物の循環状態を把握する上で重要な血圧測定。
皆さんはどのように行なっていますか?
多くの動物病院では血圧を測定する時、カフを巻いて非観血的に行なっていますよね。
その時に表示されるグラフは見ていますか?数字だけ見ていませんか?
ちなみにカフは前肢か尾に巻くのがオススメです!後肢でも測れますが、値が安定しにくいという欠点があります。
測定を始めるとカフが空気で膨らみます。カフ内の圧力を右の図では赤い点線で示しています。
その後カフを緩めていき、血管の振動を拾えるようになった時のカフ圧が収縮期血圧になります。
同様に、振動のピーク時が平均血圧、振動が急激に小さくなった時が拡張期血圧です。
次に観血的血圧測定についてですが、普段行なっている施設は少ないかと思います。
動脈内に 留置針などを設置し、トランスデューサとつなぐことで下図の赤線のような波形が得られます。
この波形からは、最も高いところが収縮期血圧、低いところが拡張期血圧と分かりやすいですね。
一方、平均動脈圧は波形の中央ではなく、若干拡張期血圧側に寄っています。
これは収縮期圧と拡張期圧の間を、およそ2:1に分けるラインが平均動脈圧とされるためで、
平均動脈圧 = 拡張期圧 + 脈圧 × 1/3
(脈圧 = 収縮期圧 ー 拡張期圧)
上記の式より算出されます。
このように、血圧の測定方法は大きく分けて2種類あります。
どちらもメリット・デメリットはありますが、理想は目的や症例に応じてどちらも使い分けられるようにしたいですね。
また、各血圧値が波形のどの部分から算出されているのかも知っておくといいでしょう。
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